今日は、少し2024/04/27

今日は、少し
明日も、少し

とあの人は言いました、「さよならするまで、少しずつ」

この甘い水をなるべく少しずつ飲んだなら、なくならないように
その間、永い間ふたりは一緒にいられるよ
いつかさよならすることを忘れてしまうくらい
なぜ一緒にいるのかさえ忘れてしまうくらい
できるだけ少しずつ
それなのに
なぜ、あの人は去ったのでしょう
ある春の嵐の日に
すべてを一瞬で燃やしつくして
満開の花を散らして
笑いながら


残された私は今日は少し
おかしくなってしまったみたい
明日も少し
さよならしてから、少しずつ


でも、私は最初から知っていたような気がします
どんなに少しずつ飲んでも
何百日かたてば
甘美な水はただの水になってしまうと
あの人は、おかしなことを言う人だと

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