龍の年2024/03/18

私は雲の上で、大の字になって休んでいたんです
少しだけ、休息したくて
このうえなく青い空と白い雲が呑気すぎて
この世の憂いなどないと告げており
そんな幸せな時が、長い人生の中でほんの30分くらい続いていました

一生見逃してくれれば
龍が
どんなに気楽な桃源郷だったことか


私の美しい青空は暗雲に包まれ
あっというまに
暗黒の雲が秒速で近づいてきたんです
雷鳴とともに、圧倒的な龍が
逃れられない宿命が
私を飲み込んだ


真空に
無我に
その代償に
痛みが恐ろしいのではなくて
実際は恐ろしいから痛いのに
でもやはり痛みが辛いので
痛みの予感から解放してほしくて
その代償に、感情を、色彩を、私は失ったのです